Written by architecture

Learning from Uganda -建築士2020.12月号

建築や都市は様々な計画から成り立っている、と思っていた。しかし2020年、世界中で「計画」という言葉が揺らぎ人々が悩んだ年にあって、ウガンダで初めて仕事をすることになった時、なにもかもが自分の計画通りにいかないことに呆然としたことを思い出している。

アフリカン モダニズム2 -建築士2020.11月号

ウガンダ独立前後に建てられた良質なモダニズム建築が、今ようやくスポットライトを浴びようとしている。その多くが首都カンパラにある国立マケレレ大学のキャンパス内に現存する。

アフリカン モダニズム 1 -建築士2020.10月号

1950年から60年代にかけて、サブサハラ以南のアフリカ諸国の多くが独立を果たした。特に多くの国が一斉に独立を宣言した1960年を「アフリカの年」としてご存知の方も多いかもしれない。しかし、この時代にどんな建築がアフリカで建てられてきたかは広く知られてこなかった。ドイツ人建築家のマニュエル・ヘルツはガーナ・セネガル・コートジボアール・ケニア・ザンビア5カ国の主要なモダニズム建築を著書「AFRICAN MODERNISM」でまとめ、こう記している…

暮らしと移動 -建築士 2020.3月号

首都カンパラは国の南部に位置し、中心部より北部・東西方向へ放射線上に舗装された幹線道路が伸びている。人やモノの移動を担うのは主に自動車で、その多くは日本の中古車である。内陸国であるため、国外・アフリカ大陸外からのモノの多くは、南西部に位置するエンテベ空港に空輸されるか、または隣国のケニア・タンザニアなどの港を通じて、まずカンパラに運び込まれる。その後、中心部にあるタクシーパークから、幹線道路上に点在する各地方都市や小さな商業エリアへ運ばれる。食料、建材あらゆるものが人とともに、これらの道路を通じて各地域と首都カンパラを行き来しているのだ。

-焼成煉瓦-Local Burnt Bricks -建築士2020.5月号

ワインやコーヒーの生産者・愛好家の中でよく知られた「テロワール(terroir)」という言葉、概念がある。ブドウや豆の品種のみならず、それらが育つ土壌や気候などの自然環境上の特徴が、ワインやコーヒーが口に含まれるとき、つまり味・質に大きく影響するというものだ。ラテン語の「terra=土、大地」という言葉から派生したこの概念は、地(=風土・地域)の持つ環境が、農産物のみならず多くのモノの質や特徴に強く結びついているということを思い出させてくれる。

あきらめから始まるクリエイティビティ -建築士2020.6月号

人やモノの流れが当たりまえの生活に慣れると、その流れが滞った途端に不便さや不安を感じる。流通の発達した日本では、食材も建材も人材も、すべて滞りなく流れていることが前提でさまざまなことが計画されるが、ウガンダでは日々何かが滞りながら流れているため、建築現場はいつも予測不能で、スリリングな出来事に溢れている…